アップルが心電図アプリ解禁をリリース
アップルウォッチは現在最も進んだウェアラブルデバイスの一つです。生体情報のモニタリングとそのデータの解析、そこからヘルスケアにフィードバックされるアクションの質などを考えると、やはり最も進んだデバイスと言えそうです。
アップルウォッチが心電図アプリを実装したのはシリーズ4からなので、2018年ですね。ぼくは現在もこのシリーズ4の44mmステンレスケースを使っています。
心電図アプリが実装されていながら、これまでアップルウォッチで使えなかったのは、日本の厚生労働省がアップルウォッチを医療機器として認証していなかったからです。
厚生労働省が医療機器として認証したのはつい先日、2020年の9月でした。
認証が降りたので、アプリが動くのもそろそろだろうと思っていましたが、ようやくアップルからアナウンスがありましたね。
Apple Watchに心電図アプリケーションと不規則な心拍の通知機能が登場
「Apple Watchが世界中の多くの方々のお役に立ち、お客様の生活の重要な一部となっていることを光栄に思います。これらの心臓に関する機能のリリースにより、Apple Watchは、人々が自分自身の健康についてより多くの情報を得られるようにするための、次の一歩を踏み出しました」と、Appleのチーフオペレーティングオフィサーであるジェフ·ウィリアムズは述べています。 …
上記のリリースは2021年1月22日付けです。まあ、何はともあれ、よかった。
心電図アプリで何が可能になるのか
実際にどんな機能が追加されるのか、リリース文をしっかり読みながら考えてきましょう。
心電図アプリケーションが、iOS 14.4とwatchOS 7.3のリリースによりApple Watch Series 4、5、6で日本で利用が可能になります。1 この機能によって初めて消費者向け製品として、ユーザーが手首の上で心電図を記録することを可能にし、自分の心臓の健康について知りたいと思った時に心拍リズムを記録、重要な情報を医師に共有できるようになります。また、Apple Watch Series 3以降で利用できる不規則な心拍の通知機能は、バックグラウンドで心拍リズムを時折チェックし、心房細動(AFib)の兆候がある不規則な心拍リズムを特定した場合に通知をします。
2021年1月22日のリリース
ふむふむ。
- 心電図アプリは、iOS14.4とWarchOS7.3のリリースタイミングから可能になること
- アップルウォッチシリーズ4、5、6が対象であること
- 不規則な心拍の通知機能はシリーズ3以降から
まずはここを確認しなくてはなりませんね。現在はiOS14.3なので、2021年1月末か2月には使えるようになりそうです。
当たり前ですが、シリーズ4以降で使えます。ぼくが持っているアップルウォッチももちろん対象です。
心電図アプリケーション2と不規則な心拍の通知機能3は、不整脈に最も多い心房細動(AFib)の兆候を検知するために役立ちます。心房細動は、治療をせずに放置すると、世界で2番目に多い死因である脳卒中につながるおそれがあります。
2021年1月22日のリリース
心電図アプリと不規則な心拍の通知は、「心房細動」の兆候を検知するのに役立つそうです。そもそもこれが目的ですからね。大事なことです。
Apple Watch Series 4、5、6の裏蓋にあるクリスタルとDigital Crownに組み込まれている電極が、心電図アプリケーションと連係して第Ⅰ誘導心電図に類似した心電図を記録することを可能にします。心電図はいつでも記録でき、記録するにはApple Watch Series 4、5、6で心電図アプリケーションを開いてDigital Crownに指をあてます。ユーザーがDigital Crownに触れると回路が機能し、心臓を通る電気信号が記録されます。30秒後、心拍リズムは心房細動、洞調律、低心拍数、高心拍数、判定不能のいずれかに分類されます。すべての記録、記録の分類、注意が必要な症状は、iPhoneのヘルスケアアプリケーションに安全に保存されます。結果のPDFは医師と共有することができます。
2021年1月22日のリリース
どのパーツがどのように機能するか、記載されています。さらにそのデータがしっかりと保存され、医師と共有できることにも触れられていますね。
「ようやく日本でも心電図アプリケーションおよび不規則な心拍の通知機能が使えるようになることを大変嬉しく思っております。今後日本で、Apple Watchのこれらの機能が心房細動を早期に発見し、医師との対話、そして治療に結び付けられるような役割を果たしていくことを期待しています」と東京都医師会の尾﨑治夫会長は述べています。
2021年1月22日のリリース
東京都医師会会長のコメントも取得しています。医師を巻き込んでのセルフメディケーション推進。色々と大変な状況が予想される中、アップルはいい仕事をしていると言ってよいのではないでしょうか。
かなりの完成度と言えそうだ
アップルウォッチは、実際にどの程度の精度で心臓の異常を検知できるのでしょうか。その辺りについても数字で示しているのがよいですね。
心電図の記録を心房細動(AFib)と洞調律に正確に分類する心電図アプリケーションの機能は、約600人が参加した臨床試験で検証されました。検証では医師による標準基準の12誘導心電図のリズム分類と、心電図アプリケーションが同時に記録したリズム分類を比較しました。この研究で、Apple Watchの心電図アプリケーションは、分類可能な記録のうち、心房細動の分類で98.3パーセントの感度を、洞調律の分類で99.6パーセントの特異度を示しました。また、この研究では、心電図アプリケーションによる分類可能な記録は全体の87.8パーセントでした。
2021年1月22日のリリース
約600人が参加した臨床試験で心電図アプリケーションは検証されているとのこと。心房細動では98.3%、洞調律では99.6%の特異度を検出したようです。かなりの精度と言えそうですね。
不規則な心拍リズムの通知機能は、Apple Heart Studyで研究が行われました。40万人を超える人々が参加したApple Heart Studyは、心房細動に関する過去最大規模のスクリーニング検査であり、心臓血管に関する過去最大級の取り組みです。
2021年1月22日のリリース
不規則な心拍の通知については、40万人を超える人々が参加したApple Heart Studyという取り組みがある様子。このサンプル数はかなりすごいですね。
現在のところ、心臓の機能に問題はない、と思うぼくですが、この手の機能はそれこそ「転ばぬ先の杖」であり、備えておいて損はありません。新しいiOSとWatchOSが配信されたら、すぐに設定しておこうと思います。
もしも心臓に何らかの不安のある方は、この機会にアップルウォッチに手を出すことをオススメいたします。
まずはシリーズ6の44㎜アルミニウムケース。50380円。
SEでもいいと思います。同じく44㎜で41580円。
純粋にヘルスケア機能だけを買うのであれば、安価なアルミニウムケースはオススメ。でもぼくのようにハマったらステンレスケースを買うことになるので、その点は気をつけてくださいね。