EVERYDAY

Clubhouseと時間泥棒について考える。誰にとっても最も大事なのは「有限な時間」だから。

投稿日:2021年2月4日 更新日:

自分のスクリーンタイム知っていますか?

皆さんは1日にどのくらいスマホを見ていますか?iOSであればスクリーンタイムという機能があり、そこで状況を確認できます。

>設定>スクリーンタイム

と2回タップするだけで、自分がどの程度スマホを見ているのか、その時間=スクリーンタイムが表示されます。

ぼくの場合はこんな感じ。

何と1日平均で約3時間もスマホを見ている、のです。
これ、個人的に驚愕の事実です。

だって1日は24時間しかない。そして、ぼくは睡眠の質を追求しているので、できれば睡眠は7時間はとりたい。

すると残りは17時間しかない。

そもそもぼくが麻布十番で職住近接生活を送っている理由の一つは、

通勤時間を人生から無くしたかったから

です。

通勤と言うのも巨大なムダだと信じてきました。今、世の中は通勤が(一時的に)無くなりつつあります。一般的な勤め人なら、平均的には片道1時間、平均2時間、待ち時間などを入れると3時間は通勤に使ってきたと言えるでしょう。

ぼくはこの通勤時間を忌み嫌い、それを無くすことに成功しましたが、一方で通勤時間に匹敵する3時間をスマホに使っているのは使いすぎなんじゃないかと思うわけです。

これはヤバいですよ。読書したり、考え事をしたりする時間を圧迫してしまいます。

スクリーンタイムでは週ごとに集計して、どんなアプリケーションに費やしている時間が長いか、教えてくれます。

それが↓これ。

うん、やっぱり。

FacebookとInstagram、こいつらだよ、時間泥棒は。

仕事のコミュニケーションも一部含むので完全に否定はできませんが、自分で仕事を作らなくてはならないフリーランスにとって、ここに投じた時間のリターンについては厳しく見る必要があります。

ぶっちゃけ、

SNSは勤め人の遊び

と言うことも可能だと思うわけです。

フリーランサーならば、SNSをきちんとした認知浸透や情報提供、営業のツールとして活用できているか、と言う視点が必要です。

新たな時間泥棒現る

そんな中、ここ2週間くらいで急速に普及している(ように見える)のが新しいSNSであるClubhouse(クラブハウス)です。

広告、マーケティング、メディア関係の仕事に関わる人たちは今軒並みこのSNSに関心を払っている、と言っていいでしょう。もしくは、わかりやすく距離を取るか。

個人的には懐疑的ですが、それはFacebookが出てきた時もそうでした。基本的に疑い深い性格なのでね。自分と自分の人生にそれが必要かどうか、かなりちゃんと見極めたい性分なんです。(笑)

メディア系の人が関心を払っていることもあり、ニュースにも結構取り上げられていますね。こんな感じで。↓

Clubhouseは現在のところ招待制を取っているので、誰もが参加できるわけではありません。なのでアプリも誰もがダウンロードできません。説明としては、まずはWikiを見てみましょうか。

Clubhouse(クラブハウス)とは、Alpha Exploration Co.が開発している2020年開始の招待制音声チャットソーシャルネットワークアプリケーションである。利用するには、18歳以上で、本名を使用する必要がある[2]

だそうです。

音声でライブ配信ができ、それを誰もが傍聴できる、と言うのが面白いようです。

ぼくも早速この新しいSNSに参加して、中をウロウロしているけれど、まだあまりよくわからない、と言うのが現状。

日本では2021年1月23日よりβ版の運用が開始された。β版なため登録画面などが日本語に対応しておらず英語のみとなってるが、それでも爆発的なユーザー数の伸びを見せており、1月28日にはAppStoreの「無料アプリ」ランキングのトップになった[8]。それにともない、FOMO(Fear Of Missing Out:取り残されることへの恐れ)が指摘されることにもなった[9]。また、1人のユーザーが招待できるのはわずか2人になっているため、フリマアプリなどで招待枠を高値で出品するケースも出現した[10]

サービスは2021年1月23日から開始されたとのこと。このサービスにおいても、基本的なぼくのスタンスは同じ。

ただリスナーになるくらいならやらない方がまし

と言うものです。SNSは「勤め人の遊び」だと申し上げた通り、フリーランサーはコミュニケーションそのものを目的にしてはダメ。

発信者になって意味あるコンテンツを提供する

これができないのなら、新しいメディアには手を出さないのが吉だと思うのです。そうでないとただでさえ少ない自分の時間がまた新しい時間泥棒に奪われてしまうからです。

一番大事なのは「有限な時間」である

新し物好きの気質は割と誰にでもあるし、それ自体は理解できます。ぼくも新しいガジェットやバイクには興味を惹かれます。しかし、ここで今一度ぼくたちが考えておかなくてはいけないのは、

時間は有限だ

と言うことです。

ここで思い出すのはあの戦う哲学者、中島義道の名著『人生を半分降りる』です。

ボロボロになるまで読んだあの本の冒頭には何が書いてあったか。何度も何度も時間の大切さについて書いてあったのです。


少し長くなりますが、この本の書き出しを引用してみます。

序章 あなたはまもなく死んでしまう

自分のための時間を確保せよ


 セネカは、いかに時間が大切か言葉を尽くして語っています。彼の言う時間とは「余暇(Otium)」と言い換えてもよく、公的なことや義務的なことのために使う時間ではなく、「自分のために使う時間」のことです。ほんとうに、彼はあたりまえのことを言っているのに、多くの人は彼の言葉にうなずきつつ反対のことをなしている。そして、そのまま死んでゆくのです。

ルキリウス君。
きみはこうしたらよろしいでしょう。
自分自身のために自分を自由にし、
いままでに君から奪い去られ、
盗み取られ、あるいは逃げ去った
時間を拾い集め、それを守ることです。

キプロスのセネカ

中島義道は次々とセネカの言を引きます。

生きることを止める土壇場になって、
生きることを始めるのでは、
時すでに遅しではないか。

キプロスのセネカ

再びセネカ。中島義道はこの言葉が好きなようです。

諸君は今にも死ぬかのように
すべてを恐怖するが、
いつまでも死なないかのように
すべてを熱望する。

キプロスのセネカ

セネカの言は、ぼくの心に突き刺さります。こんなに大事なことを、なぜ誰も教えてくれないのだろうか。

あるいはなぜそんなに大事なことを忘れたふうにして、人は毎日を生きているのだろうか。

これは子供の頃から、ぼくの心を捉えていたことなのです。

再びセネカ。

自分自身の人生の利益を知るほうが、公共の穀物の利益を知るよりももっと有益なことである。最も重大な業務に最も適しているきみの精神的な活力を、たとえ名誉はあっても幸福な人生になんの役にもたたない役目から呼び戻すがよい。そして考えてみるがよい。きみが若年のころから、学問研究のあらゆる修行で勉強してきたことは、巨大な量の穀物がきみの良好な管理に委ねられるためではなかったのだ。きみは何かもっと偉大でもっと崇高なものを自分に約束したはずである。

キプロスのセネカ言

さてあなたにこのセネカの言葉は突き刺さるだろうか、それとも全く訳のわからない戯言に聞こえるだろうか。

限りある時間を何に使うか

スマホのスクリーンタイムと新しい音声チャットSNSであるClubhouseの流行と言う2つの事象から、時間についての思いを書いてみました。時間は誰にとっても有限で、どのくらいの猶予があるのかすら、ぼくたちにはわかりません。

今日、あるいは明日、ぼくらは死んでしまうかも知れない

そんな中で何をすべきか、をよくよく考えなくてはならないと思います。

中島義道は

何をすべきではないか

を考えるべきと述べています。
これまた少し長いですが、引用してみます。

 私はいまだに、この人生で「何をすべきか」はわからない。しかし、だんだん「何をすべきではないか」はわかりかけてきた。二十歳のころの初心に戻ってみましても、明日死ぬとしたら「何をすべきか」はわからない。しかし「何をすべきではないか」はかなり明瞭にわかってきました。
 新学科のプランなど作るべきではないし、編集委員会などには出るべきではない。だが、息子の運動会には行きたいし、酒を飲むべきではないとは言えまい。毎夏ウィーンで過ごすという贅沢も断じてやめようと思わない。つまり、「明日死ぬとしたら」という条件をつけて「何をなすべきでないか」を考えてゆきますと、おもしろいことにこの世の偉大なことは背景に退き、個人的な些細なことが前景に広がってきます。

さてぼくたちは何をすべきではないのか。それをいつも自問自答して生きていくしかなさそうです。

ぼくにとって極めて重大な「何をすべきではないか」ですが、

広告やマーケティングの業界の中での定評を追い求めること

です。野良マーケターとして、自分の琴線に触れるテーマに、自分の経験と知識の価値を理解してくれるクライアントとともに取り組んでいくこと。それ以外のことは「すべきではないこと」と思っています。

そして、音楽を聴き、ギターを弾き、ピアノを弾き、バイクに乗り、ロードバイクに乗り、麻布十番の些細な日常を愛でながら生きていこうと思っています。そしてそれを発信することは「すべきこと」と考えています。

SNSは「すべきではないこと」とは言えない。

でも新しいSNSについては「すべきではないこと」かも知れない、とそんな風に思っているのです。

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