静かな曲に惹かれる
ぼくは結構な音楽好きと言っていいと思います。小学校4年生くらいから、クラシック音楽に目覚めてずいぶんとレコードを買いました。ライナーノーツ付きのLPレコードはまだ数百枚単位では所有しています。
CDもだいぶ減りましたが、1000枚くらいはあるかな。でも最近はサブスクリプションのストリーミングで聴くのが大半。ぼくのディスコグラフィもApple Musicなどでクラシックのライブなどを除くとほぼカバーされ始めています。
楽器もギター、ピアノを演奏します。大学時代はシンフォニックバンド(吹奏楽団の大規模なもの)に属してユーフォニアムを吹いたり、指揮もしていました。オーケストラ曲のアレンジを演奏することが好きでした。
大人数で演奏するのは迫力のあるスペクタクルな曲が楽しかったな。ホルストの『惑星』とか、レスピーギの『ローマの祭り』とか。100人以上での演奏はカタルシスがあるんです。いやほんと、楽しかった。
でもぼくが最近聴いているのはほとんどがピアノ主体の静かな曲です。ラヴェルやドビュッシーなど、フランス印象派のピアノ曲はもちろん大好きですが、日本人のミュージシャンによる小曲も大好きです。この辺りはまた紹介していこうと思います。
ぼくはとにかく静かな曲が好きなんです。ノリノリの曲は嫌いです。ぼくは自分の内面に深く深く降りていくような、そんな曲が好きです。自分の心臓の鼓動が聞こえてくるような、それくらい静かな曲が好き。
静謐なオーラブル・アルナルズの世界
注目している作曲家もたくさんいますが、大好きと言っていいのはオーラブル・アルナルズです。オーラブル・アルナルズはアイスランド出身の作曲家で、アルヴォ・ペルトや坂本龍一に影響を受けた世代。
1987年生まれだから、まだ30代半ば。ポスト・クラシカルの騎手のように言われています。ぼくが思う、オーラブル・アルナルズの特徴はこう。
- 暗い(短調が多い)
- 曲の始まりはごく小さな音
- ピアノの響きを中心に据えている
- ストリングスはピアノにまとわりつくようなイメージ
- エレクトロニカの要素が濃厚
- シンセサイザーの音響で音場を創り出す
- ヴォーカルで寂寥感を出す
- サビは打ち込みのリズムを多用
おそらく多くの人(普通の感受性の人)にとっては、
単に暗い曲
ということになるかと思います。
実際、ぼくはオフィスで仕事をしているときには、オーラブル・アルナルズの曲をかけていることが多いのですが、
自殺したくなる!
不幸に見舞われたときの音楽?
などの苦情が後を絶ちません。(笑)
この静謐さ、純粋さに感動できないなんて。でもこれが感受性の相違。ぼくはなにしろ孤独を愛する人間なので、内的世界が無限に広がっていくようなイメージを抱かせてくれる、オーラブル・アルナルズの楽曲が大好きなのです。
オーラブル・アルナルズ、ぜひ聴いてみて欲しい
ぼくは独りが好きで、独りの世界を楽しめるバイクに惹かれています。バイクを走らせながら、あちこちに行きながら、同時に自分のアタマやココロの中を旅したい。そんな思いを持っています。
そんなぼくに、オーラブル・アルナルズの曲はピッタリなんですよね。そういえば、『ブレードランナー』のテーマはヴァンギリスによるものですが、この曲も旅を意識させる曲ですね。
静謐ではないものの、音の冷たさにおいて、ヴァンギリスとオーラブル・アルナルズには共通項があるかも知れません。
今はアップルミュージックやSpotifyで検索すれば、すぐに音が聴けてしまう一方で、自分が知らなければ、つまり「検索できなければ」絶対に出会えない音楽もあります。
オーラブル・アルナルズ、ぜひ聴いてみて欲しいです。自分の内的世界を探索するのも素晴らしい旅だと思うから。
彼の最も新しいアルバム、“re:member”です。
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このアルバムはオーラブル・アルナルズにしては明るい。明日や未来に向けた熱を感じます。新鮮だな。
もしもショパンが好きな人がいたら、このアリス・サラ・オットーとの共演“ショパンプロジェクト”を是非聴いてみてください。
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ちょうどぼくが今練習しているのはこの曲なのですが、ショパンのノクターン第20番「遺作」をモチーフにした楽曲なんか、涙が出るほど美しく、そして暗い。
孤独を愛する、静かな音楽好きな人と出会いたいな。(笑)