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MUSIC

この音楽の新しさがわかるかな?アレクシス・フレンチのピアノを聴いて欲しい。

投稿日:2020年12月4日 更新日:

ぼくの人生には常にピアノがあった

ピアノ曲が好きです。ピアノも好き。ぼくは音楽の道には進まなかったけれど、自宅にグランドピアノもあり、楽譜もたくさん転がっていたので、自己流でピアノを弾いていました。

ショパンやベートーヴェンなど。ソナタ、ソナチネ、ツェルニーやハノンはちゃんと攫っていません。10代の頃から、弾きたい曲を弾いていただけ。最初に譜読みをしたのは、

ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」の第一楽章と、ショパンのノクターン作品9-2でした。その他、レスピーギのローマの松の「アッピア街道の松」なんかをピアノで再現したりしていました。

50代になってから、ピアノ教室に通っています。子どもたちに交じって練習するのもいいものですよ。(笑)さて、閑話休題。

アレクシス・フレンチがいい

イギリスのピアニスト(と言っていいと思う)である、アレクシス・フレンチ(Alexis Ffrench)の音楽に最近ハマっています。

聴きやすくフレンドリー、でもスケールが大きく、ロマンティック。

アレクシス・フレンチのピアノ曲はそんな感じ。ソニーミュージックに所属しているアーティストですね。ウェブサイトにある紹介文にはこんな風に書かれています。

プロフィール | アレクシス・フレンチ | ソニーミュージックオフィシャルサイト

英国出身の天才ピアノ奏者&作曲家、Alexis Ffrench(アレクシス・フレンチ)。4歳でピアノを始め、子供の頃父親の持っていたスティーヴィー・ワンダーやボブ・マーリーのレコードを聴き、そこから1年も経たないうちに、小さな赤いノートに弦楽四重奏をしたためていた。絶対音感を持つ彼は「音楽を聴くと、その姿が目に見えるんだ」と語る。 パーセル音楽院(Purcell School Of …

英国出身の天才ピアノ奏者&作曲家、Alexis Ffrench(アレクシス・フレンチ)。4歳でピアノを始め、子供の頃父親の持っていたスティーヴィー・ワンダーやボブ・マーリーのレコードを聴き、そこから1年も経たないうちに、小さな赤いノートに弦楽四重奏をしたためていた。絶対音感を持つ彼は「音楽を聴くと、その姿が目に見えるんだ」と語る。

パーセル音楽院(Purcell School Of Music)、ロンドン王立音楽アカデミー(Royal Academy Of Music)、ギルドホール音楽演劇学校(Guildhall School Of Music and Drama)とクラシックの名門学校で王道の高等教育を受けつつも、個人的趣味はR&Bやルーツミュージック。ケンドリック・ラマーもチャンス・ザ・ラッパーもバッハもベートーベンも聴く。

クラシックのオーディエンスが非常に偏っている(人種的にも世代的にも)。あらゆる世代と肌の色の人々がクラシックに親しめるような音楽を作りたい」
クラシックを聴くというと知識からつけないといけないのではないか、という感じで敬遠するリスナーが多い中、クラシックが感じて楽しむ音楽であってもいい。クラシックにヒップホップ仕込のエンタメ感覚をもたらすアーティストを目指す」

と語る彼はクラシックの枠に囚われず、国、人種、世代、ジャンルすべてを超えた新しい音楽の姿を模索・探求している。2017年、2CELLOSとともにヨーロッパのアリーナでソールドアウト・ツアーを行なった。

2018年8月31日英国でデビュー・アルバム『エヴォリューション』発売。全英クラシック・アルバム・チャートで初登場1位獲得。

日本では10月24日にボーナストラック3曲を追加して日本盤発売。また11月6日公開日本映画「人魚が眠る家」の音楽スコアを担当することになり、「Bluebird」が挿入曲としてフィーチャーされる。

ボールドにしたところは、アレクシス・フレンチの思い。それはぼくも以前から強く感じていたところです。特に日本では、クラシック音楽は「教養」と捉えられていて、「楽しむ対象」になり切れていないと思っています。

だからオーディエンスも何となく「教条主義」的だし、教養のない人を排除するような「排他性」がある。もっと普通に楽しめればいいのに、と常に思ってきました。

アレクシス・フレンチは音楽を楽しむ、その動機付けの部分から、従来の考えを変えて行こうとしているようにぼくには思えますし、それが可能な音楽を創り出す才能を持っている、という点ですごく期待しています。

まずはこれを聴いて欲しい

クラシックとポピュラーの間を泳ぐピアニスト、という観点では先駆者もいました。例えば、キース・ジャレット。彼はハープシコードを弾いて、バッハの「ゴルトベルクバリエーションを録音しています。

絶対的なピアノによるクリエーションとしては、ケルンコンサートなどは傑出したものですよね。

キース・ジャレットの音楽は素晴らしい。でも何というか彼のストイックさが、20世紀的なのです。

アレクシス・フレンチの音楽は、まずこのアルバム”Evolution”を聴いて欲しい。

↑の方でぼくが触れた「フレンドリーさ、聴きやすさ」を感じてもらえると思います。アルバムをいきなり買うのはハードルが高いと思う人はこちらをどうぞ。YouTubeにあるアレクシス・フレンチのチャンネルから。

ぼくが最初に惹きつけられた曲。Momentsを聴いてみて下さい。

誰にでも分かりやすいメロディ。どこかで聴いたことがありそうで、それでいて新しい。メランコリックなのに、距離が近い。この感じ、わかってもらえるかな?

もう一曲行きましょう。forgivenです。こちらはオーケストラを従えてよりスケールの大きな演奏。

ラフマニノフのコンチェルトようなロマン性。でもそれでいてフレンドリー。でもポールモーリアのような芝居がかった感じがしない。

アレクシス・フレンチの音楽

ぼくは暗い曲が好きです。自分の心の奥の方に入っていくような音楽が好き。ノリのいい曲は好きではありません。これまでも、そんな曲を書くコンポーザーやピアニストを紹介してきました。

アレクシス・フレンチの楽曲は、オーラブル・アルナルズやharuka nakamuraよりはプロアクティブかもしれません。つまり、もっと能動的な感じ。でもノリの音楽ではない。中へ中へ向かうのではなく、他者との関係性に開かれている気がする。まさに、自己の内奥ではなく、他者へ向かう「モーメント」感じる。それが今っぽいなと思うのです。

そんなことを考えていたら、ウェブ上にこんな記事を見つけました。

アレクシス・フレンチ(Alexis Ffrench)のピアノを聴いて思ったこと | Mikiki

音楽が必要とされる時 アレクシス・フレンチのピアノを聴いて思ったこと 映画『人魚の眠る家』をご覧になった方は、そこでひびいていたピアノの音、ピアノの音楽を記憶されているだろうか。生と死、臓器移植、テク…

いろいろ共感できる部分のあるレビューです。でも一番「これだな」と思ったのは、

聴き方の変化

です。

30年前、ぼくは大きなアンプとスピーカーをセットし、その前に座って音楽を聴いていました。そんなぼくですら、いまはPCの前で仕事をしながら、音楽を聴いています。

こうしてウェブログを書きながら、アレクシス・フレンチを聴いているわけです。そんな聴き方になったのだから、その聴き方に相応しい音楽が生まれてくるのは当然の帰結と言えるでしょう。

クラシック音楽は素晴らしい。コンサートはオーディエンスに「聴き方」を強制します。それはある程度仕方ないのかな。でもコンサートも形を変える努力をする必要を感じますね。その辺り、ぼくの60代のライフワークにしたいかな。

その一方でストリーミングとコンピューテーショナルオーディオの登場、先日のノイズキャンセリング機能を搭載したシミュレーション環境の発展は、クラシック音楽だとしてもその聴き方の可能性が拡張していることを示していると思います。

新しい聴き方、送り手からすれば「聴かせ方」を創出する時代になってきたのだと思うわけです。

アレクシス・フレンチはコンテンツを時代に合ったものに変えつつある。オーケストラをはじめとする旧来の団体は、クラシック音楽の聴かせ方の可能性を追求していく必要があるでしょうね。

そんな仕事ができるといいな。

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