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本当に湘南が勝ち組か?ポストコロナ時代、みんなはどこに住む?

投稿日:2020年5月3日 更新日:

azabujuban

通勤が大嫌いだった

通勤、それはぼくが最も忌み嫌う時間のひとつでした。それだけでも会社員を辞める理由になるくらい嫌いでした。ちなみに高層ビルも大嫌い。あのエレベーターを待つ時間も、乗っている時間も大嫌いです。だから独立して小さくても自分の好きな空間でストレスなく暮らしている、いまの状況はぼくにとってとても好ましいものです。

2020年初頭から現在までのわずか数か月。世界は新型感染症のパンデミックによって、大きく変わってしまいました。会社員の多くはリモートワークに移行しています。つまり、会社員時代のぼくがあれほど忌み嫌った通勤という人生における最大のムダは現在なくなりつつある、と言えると思います。通勤しなくてもよい、あるいはその頻度が従来よりも著しく減少する場合、人はどこに住むでしょうか?

会社員時代、多くの人は通勤時間が短いことを望んでいました。だから皆、会社への通勤の利便性が高いところに住みます。結果、たとえばメトロに直通している私鉄沿線に経済力の順に並んで住む、というようなとても滑稽な状況が生まれていました。あるいは人生において最重要なのはサーフィンだというような人たちは、利便性を捨てて湘南などに住んでいました。ぼくが勤めていた会社にはそういう人も結構多かったように思います。

居住に自由が生まれつつある

いま新型感染症によって、人の住まい方を再構築するチャンスが巡ってきています。ある人は「利便性のプレミアム」が低減すると予言しています。上述のように、会社員にとっての利便性プレミアムとは通勤における利便性と置き換えることが可能かと思います。つまりある程度住みたいところに住むことができる可能性が生まれてきたわけです。さてそこで問題です。通勤における利便性プレミアムが低減したら、あなたはどこに住みたいですか?

湘南の海辺に住みたい。ありですね。
軽井沢に住んで時々新幹線で東京に行く。ありですね。
箱根などに住んで木々の匂いを嗅ぎながら暮らす。ありですね。
いやいっそのこと、沖縄や北海道や、もしくは海外はどうでしょう?

そんなことができたら、素敵ですね。ぼくも少し憧れます。実際、夏の間だけオフィスを沖縄に、なんて妄想もしていました。

たぶんこれから上記のような妄想に憑りつかれる人が増えるでしょう。利便性を捨てて、自然や家の広さを採る、そういう選択も増えてくると思います。そこでぼくの予言です。今後、郊外に移り住んだ人たちの大半は後悔することになります。軽井沢も葉山もそれなりの覚悟がなければ住めません。自然は美しく、人間にパワーを与えてくれる存在ですが、一方で過酷な試練にもなり得ます。また郊外では医療、介護はもとより普段の生活を支えるインフラの充実度も異なります。

そしてやはり人は人の群れ、つまり社会を求めるのです。持続可能な小さな社会はぼくの理想でもあります。ですが、それもまた大きな社会の中でこそ成立するものなのではないか、とも思っています。郊外のローカルな社会だけで、人は満足できるのでしょうか?もし満足できれば幸福ですが、ぼくには無理です。そもそも通勤などあってもなくても、つまり職業にかかわらず人は都会を目指したのではないでしょうか?ポストコロナの時代、いわゆる企業の構成員だった人たちは一度ローカルに流れるでしょう。しかしそれも一時的なものです。

中心におけるローカルの構築

どこに住むかは人生にとって極めて重要な戦略的選択です。それはビフォアコロナ時代でも同じでした。ただ人々は我慢していただけです。通勤時間が低減するポストコロナ時代、住処の戦略策定にはある程度の自由度が生じています。ここで必要なのは長期的なスコープと本質的な考察です。数十年単位で最適化すること、そして人間の欲求、自らと家族のニーズを捉えること。ぼくは都市のパワーを信じます。そして都市を形作ってきた人の意志を信じます。もちろん自然のパワーも信じていますし、それを享受したいときもあります。

都市は利便性だけではなく、豊饒な文化を持っています。文化は多様ですから郊外に文化がないというわけではありません。しかし都市がもつ文化は郊外では得られない種類のものだと思うのです。ぼくが考えるポストコロナ時代の住処の戦略はビフォアコロナ時代と変わらず「中心におけるローカルの構築」です。都市に集積されてきた文化と快適性は保持しつつ、セーフティネットとしての小さなローカル社会を構築していくことです。さあ、ポストコロナ時代、あなたはどこに住みますか?

参考図書はこちらです。宮脇檀著「都市の快適居住学」

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