アップルウォッチ6が発表されたよ
日本時間の2020年9月16日深夜、アップルが新商品・新サービスを発表。様々なメディアがその概要を伝えています。今回発表されたポイントは、ぼくが思うに以下の通り。
- iPad Air(第4世代)
- Apple Watch 6
- Apple Watch SE
- Apple ONE
噂によるとこの9月の発表を皮切りに年末までにあと2回、アップルは新商品発表を予定しているらしいので、この後も楽しみは続きそうです。
iPad Airはチップセットが新世代になり処理速度が上がったうえに、Apple Pencil(第2世代)やMagic Keyboardなどの周辺機器も使えるようになったのに、価格は低いのでベストバイに近いプロダクトになりましたね。
ぼくは12.9インチの画面が欲しいのでiPad Proが好きですが、iPad Airがここまでハイパフォーマンスになると年末の第2世代からの乗り換えでいいのかなぁ、などと考えちゃいますね。
Apple ONEはiCloudやApple Musicなどのサブスクリプションサービスをおまとめしてお安くする、というロイヤルユーザー向けのサービスの模様。おそらくぼくも恩恵がありそうなので、後日しっかり調べてみます。
閑話休題。
今回、ぼくが期待していたのもちろんApple Watch 6です。チップセットのジェネレーションが上がってシリーズ5比較で処理速度は30%以上向上。まあこの辺りは順当なアップデート。
今回の目玉はこれです。
血中酸素濃度の測定機能追加
多くのメディアがこの機能にハイライトしています。
Apple Watch Series 6発表。SpO2センサーと高度計を搭載、「血中酸素ウェルネス」を提唱 – Engadget 日本版
アップルは16日午前2時~の「Apple Event」にて、Apple Watch Series 6を発表しました。
ちょっとガッカリしたかも
血中酸素濃度(SpO2)の測定機能の追加かぁ。COVID-19のパンデミックの際、肺の機能が損なわれているかどうかを確認する目的で、パルスオキシメーターが結構売れたという話は聞いたものの。うむ。まぁ個人的には微妙ですね。重要な指標であることは理解できますが、説明変数の設定ができないからなぁ。コロナ特需でも狙ってるのかな?
それならまだVO2 Max(最大酸素摂取量)などの方が有酸素運動との連携が明確なので、知って楽しい指標と言える気がします。NIKEやGARMINなんかはその辺りを心得ている様子で、啓発情報をウェブに記載しています。
ランナーが最大酸素摂取量(VO2 Max)を重視すべき理由
VO2 Maxを上げるためには、ゆっくりと長時間かけて長い距離を走れるようになり、ペースの速いハードなワークアウトにも挑戦する必要がある。体力の土台ができたら、高負荷インターバルトレーニング(HIIT)に打ち込んでみよう。HIITでは、ハードな全力運動と回復ブートが交互に組まれている。これはVO2 …
ランニングサイエンス | Garmin 日本
VO2 Maxの数値は、自分のフィットネスレベルを把握し、管理するために必要なカギとなります。この数値は身体に取り込まれた酸素が筋肉へ運ばれ、効率的な有酸素エネルギー生成に使用される最大量になります。個人レベルでは健康や運動パフォーマンスに関する様々な指標のための、極めて優れたツールです。 簡単にVO2 Maxを理解するには、VO2 …
アップルウォッチの血中酸素濃度の機能、ヘルスケアデバイスとしての一定の進化ではありますが、アップルらしい生活を変えるまでのパワーは持っていない気がします。センシング技術におけるハイライトには興味あります。でもこれが絶対欲しかったか、と言われればぼくはちょっと違うなぁ、としか言えません。
何度か書いているとおり、キラーとなる機能は別にあると思うんですよね。
血糖値を測定するバンドツール
これです。
次期Apple Watchは血糖値も測れる? 外付けオプションの「スマートバンド」に実装との噂 – Engadget 日本版
Apple Watchの次期バージョンでは血糖値の測定機能が導入される見込みだと、海外ニュースサイトのBGRが伝えています。ただし時計本体の価格を上げることなく、Apple
ヘルスケアデバイスとして画期的な存在になるには、血糖値、血液検査などのメディカル領域をいかにしてセンシングできるか、が大きな課題ですが、その意味で今回のApple Watch 6はメディカルよりはフィットネスやウェルネスなどのやや曖昧な領域に逃げた印象ですね。
実際にアップルのウェブサイトを見ても、その辺りの煮え切らなさがぬぐえません。
血中酸素濃度
この記載がトップに来ているので、アップルは血中酸素濃度の測定機能を最大の目玉と考えていることは明らかです。一方で↑の文章にはこんなことが書いてあります。
この機能は、医療での使用や医師との相談または診断を目的としたものではなく、一般的なウェルネスとフィットネスのためだけに使えます。
Apple Watch 6
敢えて注記しているということからもアップルの意志が窺えます。今回のApple Watch 6はぼくが期待しているセルフメディケーションをサポートするパーソナルヘルスケアデバイス、という方向ではなく、ウェルネスやフィットネスというややぼんやりしたパーソナルヘルスケアの機能を強化したというのが結論です。
睡眠
Apple Watch 6では睡眠のトラッキングが純正アプリで可能になった模様です。詳細な機能はまだわかりませんが、どうやらかなり簡易なものみたい。ウェブサイトでの記載はこんな感じ。
ビジュアルで表示されているのは、就寝時間と起床時間と思しき時刻と7時間36分という睡眠時間のみ。もしもっと詳細な分析が可能なら、その画面を誇らしげに掲げると思うので、おそらくこれしかわからない、のだと思われます。
実際、β版を試用したレポート記事も見つけましたが、やはり睡眠の質を掘り下げる機能はなく、睡眠前のコンディションを整えるようなサジェストが出てくる機能止まりな感じですね。
秋に登場するApple純正「睡眠」機能はApple Watchの市場を広げるか β版を試して分かったこと
Appleは今秋、「iPhone」と「Apple Watch」に同社初の「スリープトラッキング」(睡眠記録)機能を追加する。「ヘルスケアアプリには以前から『睡眠』があるじゃないか」と思うかもしれないが、これまではサードパーティー製アプリなどからデータを持ってきて記録するだけ。秋に登場する「iOS14」と「watchOS 7」では、iPhoneやApple …
だとするとすでにサードパーティから提供されている睡眠管理アプリの方が遥かに詳細な「睡眠の質」を計測してくれることになります。この程度なら純正アプリを用意する必要あったのかなぁ。
睡眠の質の見える化はアップルウォッチがもたらしてくれる最大の価値のひとつだとぼくは考えています。そしてシリーズ4で既にその価値は提供できている。つまりその点において、今回のApple Watch 6では大きな進歩はなかったということになります。
今回のApple Watch 6、購入は見送りかな
密かに期待していたApple Watch 6でのメディカルデバイスとしてのイノベーション。それは幻に終わりました。今回のアップデート、その方向では長足の進歩無しです。
一方で基本的な機能は着実にアップしています。処理速度も上がり、シリーズ4ユーザーのぼくにとって羨ましい、
画面常時表示機能
も表示輝度が上がって視認性が向上した模様。普通の時計としての佇まいはどんどん進化していると言えそうですね。
バッテリーも強化され、防水機能もレベルアップ。そういう意味でアップルウォッチに初めて手を出そうかなと思う人にとっては最善のプロダクトだと思います。さらに今回はSEという比較的安価なモデルもラインナップされています。こちらは目玉の血中酸素濃度測定機能が落とされています。
でもこの機能がとっても欲しいという人でない限り、むしろSEの方がいいのではと思います。処理速度が速くなったApple Watch 6をより安価に入手できるのですから。シリーズ3も安価に買えるようですが、ぼくはもしアップルウォッチ買おうかなと思っている人がいたら、このSEを薦めようと思います。常時表示が欲しい人にはApple Watch 6しかないですけど。
ということで今回のApple Watch 6の購入は当面見送りかな。
現在使用中のApple Watch 4から一気に、セルフメディケーション機能が強化されるタイミングまで待とうと思います。
Apple Watch 4で実現された境地は既にかなり高いところにあります。アップルもたいへんだ。(笑)過去のポストもご覧ください。