Martin Club Japan | マーティン クラブ ジャパン ギターカタログ STANDARD Series(スタンダードシリーズ)000-28
12月23日は休日。今年は自宅をリフォームしてまったく別世界を手に入れました。いろいろあった年でしたが、すべてはHOMEから。自宅のリフォームは本当にお薦めです。人の誇りや優しさや尊厳のすべてはHOMEから始まるのです。
そんな自宅リフォームのインテリアとの兼ね合いもあり、所有していたギターをすべて売却しました。意外な収入になったりして。(笑)
売却したのは、Takamineのエレアコ、YAMAHAのエレガット、YAMAHAのアコギの3本です。一番複雑な思いがあったのはYAMAHAのアコギ、L-6でした。今年は父が死に僕は家族と絶縁したわけですが、お人よしでKYの僕もさすがにいろいろ悟ったわけです。
51年の人生で両親から何かを買って貰った記憶は数少なく(本は買ってもらいましたが)、しかも自分から強く望まなければ買った貰うことはほぼありませんでした。そのひとつがこのYAMAHA L-6だったのです。
当時住んでいた名古屋は新瑞橋の楽器店で見つけたL-6は1割引きの¥54,000でした。どうしても欲しかった高校生の僕は、親に相談しないで手付金を払いこの楽器を購入予約したのです。その後、自宅でどうしてもこの楽器が欲しいことを告げたとき、父か渋々と代金をくれました。それを握りしめて再び楽器店に向かったことを思い出します。
L-6(Lシリーズ)は当時のYAMAHAが採算度外視で作っていた素晴らしい楽器です。トップとバックは単板で、繊細でいながら鳴りのよい楽器でした。YAMAHAのピアノはどちらかと言えば野暮ったい音が特徴と思いますが、ギターは違います。キラキラという言葉が似合うような、そんな音の楽器でした。
新しい楽器が手に入ったことが嬉しくて、また僕は気が付かなかったのでしょう。きっと父は勝手にギターを買ってきた僕に対してよい印象は持たなかったと思います。でも僕は父に買ってもらったギターを捨てることができず、今年まで大事に保有していたのです。
父が死に、その死に方にもすっかり落胆し、家族にも絶望し、自暴自棄になり、碌な一年ではありませんでした。いまは新しい家で妻を大切に生きなおすことだけを考えています。その僕にとって勘違いのL-6は切り捨てるべき対象でした。
楽器として考えればL-6は今も素晴らしい状態で保有しているべきと思いますが、上記のような事情もあり、この楽器とともに思い出も捨て去ろうとしているのです。
今日はクリスマスイブ。プレゼントを願うのが普通の日です。その日に僕は数少ない過去に貰ったプレゼントを処分しました。来年は自分で自分にギターを贈りたい。本当に好きなギターを一本だけ所有したい。そんなことを思っています。今のところ、やはりマーチン、ストロークよりはフィンガリングに適した000-28辺りをターゲットにしようと思っています。
サンタさん、来年は今年以上に仕事を頑張りますから、僕にマーチンください。(笑)