HSPかも、と言われた
いずれにせよ、記憶と歴史に残るであろう、2020年が終わり、2021年が始まりました。世界は大きく変わり、2021年にも変わり続けるでしょう。とはいえぼくは淡々と自分の時間を大事に生きていくのみです。それがオヤジの生き方であろうと思っています。引き続きよろしくお願いします。
さて大晦日に友人から「HSP」という言葉を初めて聞きました。この方は普段から占い師、占星術師として活躍しているのですが、以前に紹介したぼくのブログを読んでコメントをくれたわけです。読んで頂いたブログポストはこちら。
このポストでは「孤独」「孤高」あるいは「一人が好き」そんなキーワードをベースに自分の性格について自己分析してみたわけです。そしてそのポストを読んで頂いたコメントには、ぼくの知らないHSPという言葉があったのです。
ブログ繰り返し読みました。一人が好きであるとか、独自の世界観を持った方はこれからかなり生きやすくなるはずです。ブログを読んで“HSP”みたいな言葉も浮かびました。(中略)海野さんも、……とは言いませんが、少し、あるかも知れません。良い意味で、です。
占星術師の友人
HSP。
初めて聞きました。そして少し調べてみると、確かに全てとは言えませんが、当てはまる傾向もありそう。さてそのHSPとは、WIKIPEDIAによるとこんな感じに書いてあります。
ハイリー・センシティブ・パーソン
精神医学上の概念ではなく、病気や障害でもないので、 DSM にも指定はされておらず[1] 、医療機関でHSPという病名を付けられることはない。 HSC(Highly Sensitive Child):HSPの子供時代を指す HSE(Highly Sensitive Extroversion)/ HSS(High-Sensation …
Highly Sensitive Person
これがHSPなんですね。WIKIPEDIAの記述をみると、こんな感じで書いてあります。
高度な感覚処理感受性を、気質(生得的な特性)として持つとされる人のこと。精神医学上の概念ではなく、病気や障害でもないので、DSMにも指定はされておらず、医療機関でHSPという病名を付けられることはない。
Wikipedia
どうやら医学的ではなく、心理学的な類型のようですね。
HSPって何?
ではHSPの特徴はどんなものか。これまたインターネット上のサイトにこんな記述がありました。HSPかどうかを判定する項目で、YESが12を超えて多いほどその傾向が強いと考えるようです。
- 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
- 他人の気分に左右される
- 痛みにとても敏感である
- 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
- カフェインに敏感に反応する
- 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
- 豊かな想像力を持ち、空想に耽(ふけ)りやすい
- 騒音に悩まされやすい
- 美術や音楽に深く心動かされる
- とても良心的である
- すぐにびっくりする(仰天する)
- 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
- 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節する、席を替えるなど)
- 一度にたくさんのことを頼まれるがイヤだ
- ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
- 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
- あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり、神経が高ぶる
- 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
- 生活に変化があると混乱する
- デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
- 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
- 仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
- 子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」 とか 「内気だ」 と思っていた
自分に置き換えて評価すると微妙です。そもそもぼくは長年KYと言われて育ってきた男です。人の心がわからない、と罵られたことも何度もあります。そのぼくが人の感情にセンシティブとは俄には思えないのですよね。
でも↑の16PersonalitiesでもStrengthFinderでも「一人」とか「内向性」とかは強く傾向が出ていたり、人付き合いがやや苦手(特に大人数のパーティなど)やうるさいところが大嫌いで、静かな曲が好きだったり、いつもオフィスに引きこもっていたりする点では「そうかなぁ」と思います。
占星術師の友人も職業柄適当なコメントは残さないでしょうし、おそらく芯を食った何かがそこにある、という直感がありました。そこでHSP周辺を少しリサーチしてみて、ネタ本を発掘。読んでみました。
内向型人間のすごい力
スーザン・ケインというアメリカの女性(弁護士であり、ライターである)の著書「Quiet」の邦訳、「内向型人間のすごい力」です。
アメリカの書物にありがちな固有名詞がいっぱい出てくるストーリー仕立ての本でしたが得るものは多かったですね。この本は、内向型、外向型の性格分類と合わせて、HSPについての研究結果を取材して書かれているのです。
本は結構長いので、ポイントを抽出してみると、こんな感じです。
単純に1対1ではないが、幼児期までに外部刺激に対して「高反応」を示す人間は「内向的」になるケースが多い。
「内向型人間のすごい力」を読んでのまとめ①
外部刺激に「高反応」な子供は事物を観察するのが得意で慎重な性格。行動よりも考えることが先に来る。これが内向型人間の特徴。外向型はこの逆で、考えるよりも行動が先に来る。
「内向型人間のすごい力」を読んでのまとめ②
内向型、外向型の割合は3:7くらい。いくつかの理由から現代は外向型の方を理想とする文化が社会に根付いており、その点で内向型は生き辛い。
「内向型人間のすごい力」を読んでのまとめ③
「高反応」な子供は比較的ローレベルの刺激でも十分であり、刺激が強いと疲れてしまう。内向型も同様にパーティや大音響が苦手でそうした場では著しく消耗する。
「内向型人間のすごい力」を読んでのまとめ④
子供時代(嬰児〜幼児期)の「高反応」が内向型・外向型を分けるという研究は、アメリカの心理学者で、ハーバード大学名誉教授のジェローム・ケーガンのものです。
Jerome Kagan
Jerome Kagan (born February 25, 1929) is an American psychologist, and Daniel and Amy Starch Research Professor of Psychology, Emeritus at Harvard University, and co-faculty at the New England Complex Systems Institute. He is one of the key pioneers of developmental psychology.
そしてようやくここで“HSP”の研究が出てきます。これは同じくアメリカの心理学者エレイン・アーロンが提唱したものです。
The Highly Sensitive Person
まぶしい光や、強い臭い、肌触りの悪い布、近くを通るサイレンの音といったものに容易に圧倒されてしまう。 短時間に多くのことを抱えるとあわててしまう。 暴力的な映画・テレビ番組を見ないようにしている。 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋、もしくは一人になって刺激をやわらげることができる場所に閉じこもりたくなる。 生活する上で、動揺したり圧倒されるような状況を避けることを最優先にしている。 …
おぉ、ようやくここで提唱者によるHSPの定義が出てきました。まずはここまで到達できるリサーチャーは少ないだろうな。
ぼくは指向性の高いHSPなのでは?
HSPの提唱である、エレイン・アーロン博士自身の言葉によるHSPの傾向を図るための尺度はこんな感じ。
そう、そっくりそのまま↑の方にある23の項目と同じです。上記はこれを引用したものだったのですね。
個人的にぼくは“HSP”の傾向があるかも知れませんが、ものすごく強いとは思えないですね。ただ内向的だとは思います。つまり内向型人間でありつつ、HSP的な極度の敏感さは持っていないのかも知れません。
「内向型人間のすごい力」の著者、スーザン・ケインがまとめている、エレイン・アーロンによる「敏感な人(HSP)」の特質27の一部は、結構当たっているようにも感じます。
- 行動する前に熱心に観察する傾向がある
- 計画から大きく外れない人生を送ろうとする
- 見聞きすることや匂い、痛み、コーヒーなどによる刺激に敏感
- 職場やピアノの発表会などで他人に観察されたり、デートや就職面接で評価されたりするのが苦手
- 物質的・享楽主義的であるよりも哲学的・精神主義的な傾向がある
- 無駄話が好きではない
- 自分をクリエイティブ、直感的と表現する
- 非常に詳細な夢を見て、翌朝になって夢の内容を思い出せる
- 音楽や自然や天然の美を愛する
- 激しい喜びや悲しみ、憂鬱、恐れなど、極めて強い感情を抱く
うーむ。こちらは2以外は当てはまっているような。芸術に対する情熱、無駄話が嫌い、直観的、というあたりはかなり近いなぁ。
ものすごく指向性の高いHSP
結論的にはぼくはこんな感じなのではないかと思います。全方位ではなく、興味がむかう方向だけのHSP。そしてそれ以外にはKYという。そんなのあるのかな?
でも自分について思いを巡らせることはとても大事なことだと改めて思います。池澤夏樹が「スティル・ライフ」で書いた2つの世界。外の世界と内なる世界。その両方ともが、それでもぼくを魅了するのです。
さて正月休みの内的世界探訪はこれくらいにして、バイクに乗って風を感じに行こうか。