加湿器は女性の必需品
冬場の課題といえば空気の乾燥。男性はそれほど気にしない人も多いと思いますが、女性にとっては死活問題。ぼくは麻布十番に自宅とオフィスを構えた職住近接生活を送っていますが、オフィスは奥様のエカテリーナ2世様の会社とぼくの会社でシェアするスタイルです。
そのオフィスでは長年パナソニックの加湿機能付きの空気清浄機を使ってきました。下記は最新型なので形は違いますが、まあ、こんなやつ。フィルターによる空気清浄機能に、超音波式の加湿機能を追加したハイブリッド型のプロダクトですね。
長年お疲れ様でした、と言う気持ちもあるものの、これが結構匂う。空気清浄機自体が悪臭を放つわけですから困ったものです。加湿機能は失われていないものの、この悪臭ではスイッチを入れるのも躊躇われるわけです。
そんな状況なので、エカテリーナ2世様からは早急に加湿器を買い換えるように言われておりました。空気清浄機能と加湿機能をどう考えるか、悩んだ末に出した結論は、加湿機能だけに絞ろう、でした。
購入候補のリストアップ
エカテリーナ2世様には絶対服従なので、早速購入検討に入ります。ぼくは何しろ何を買うにも結構考える性質で加湿器を購入するにあたり、以下のようなポイントについて比較検討しました。
- デザイン(オフィスに置いて絵になるか)
- 加湿機能(ある程度の広さを継続的に加湿できるか)
- 細菌対策(水を清潔に保つことができるか)
- 保守管理(メンテナンスが比較的簡単かどうか)
- 大きさ(これまで設置していた加湿空気清浄機より大きくないこと)
- 価格(あまり無茶な価格でないこと)
候補として考えたのは以下のようなモノです。
BALMUDA Rain
壺の形態をモチーフにした加湿器。実はBALMUDAのプロダクトは一つも持っていません。悪くないとは思いつつ、以前から何度も書いている通り、ぼくはデザインについては、
Form Follows Function.
形態は機能に従う。
という考え方なので、どうも形態において何かをモチーフにしたプロダクトが苦手なんですよね。
メーカーのウェブサイトを見てちょっといいかなと思う点とイマイチかなと思う点をまとめてみると。
まず、いいなと思う点。
- 給水方法はユニーク
- 有機ELディスプレイ装備
- WiFiとアプリによる管理
新しさとユニークさが売りですね。
一方で、イマイチだなと思う点。
- フィルターが必要
- 加湿フィルターと酵素フィルターを1年に1度交換する必要あり
- 細菌やウィルスを殺菌する機能はない
- 一番嫌なのは壺のようなデザイン
フィルターはそれ自体が細菌の温床になる危険性もあるので、BALMUDAも年1回の交換を推奨していますね。
でも最後に書いた通り、形が好みではない、と言うのが最大のポイントですね。だからBALMUDA Rainはナシ。
cado STEM
こちらもデザイン性で売るプロダクト。でも、今ひとつ形態は好きになれない。
さらに機構的にはBALMUDAと近く、イマイチと思われる点が同じ。
- フィルターが必要
- ホワイトフィルターの機能はどうなんだろう?
企業理念 | カドー公式サイト
カドー公式サイト | 空気をデザインする世界No.1の清浄能力を持つ空気清浄機や、パワフルなミストとデザイン性を追求した加湿器等を製造・販売。キレイな空気を取り戻し、すべては豊かな空間のために。
このメーカーは個人的な世界観が合わない気がします。なんというか、クリエイティブを前面に出している企業が苦手で。天邪鬼で申し訳ございません。
dyson hygienic mist
空気清浄機能ではなく、加湿性能だけを取り出した場合、個人的に一番いいなと思ったのはこのダイソンの加湿器。ハイジェニックミストです。
部屋を均一に潤す、 衛生的な加湿器[C]。
加湿器をご紹介。部屋を均一に潤す、最も衛生的な加湿器。UV-Cライトにより水の中の細菌を除去。
こちらのいい点は次の3点。
- ノンフィルター
- 紫外線ランプによる殺菌機能がある
- 夏場はサーキュレーターになる
加湿機能以外の機能で、他の候補と違った大きなメリットがあるのはこのダイソンのハイジェニックミストだけ。
と言うことで、オフィスに導入するのはこのダイソンのハイジェニックミストに決定しました。
dysonというメーカーのすごさ
ダイソンと言うメーカーには学ぶところが多いですね。徹底的に機能性を追求していることがわかります。なぜこの製品でないといけないのか、が明確。「新しさ」とか「ライフスタイル」とかのぼんやりした領域に逃げないところが偉いと思います。
結構メーカーは「売り方」のところを広告代理店に依存していたりします。作り手は「機能」に特化しますが、それはユーザーにとっての「価値」では必ずしもなかったりします。この辺りが広告代理店の提供価値なわけです。
でもダイソンはエンジニアリングとデザインを同時に進行できる稀有な組織形態と持っていることで、自社で「機能」と「価値」を一致させられるんです。この点は本当に素晴らしいと思いますね。
それにダイソンのすごさは顧客対応にもあります。ダイソンのカスタマーセンターに電話してみればその対応品質はすぐにわかります。慇懃無礼なアップルも最近はだいぶマシになってきましたが、ダイソンのそれは別次元。この顧客対応の品質を知るためにも、マーケティングに関わる人はダイソンの製品を買った方がいいと思いますね。
さて今回購入したのはこちら。
購入の決め手となった機能について、ダイソンのウェブサイトに詳しい説明があるので、それを追っていきたいと思います。
従来の加湿器の問題点
これ一番大事。現在のプロダクト群にどのような問題があるのか。ダイソンはまずそれを明らかにします。
いずれの方式にも問題があり、それはほぼフィルターやタンクそのものが細菌の温床になってしまうこと、な訳です。ダイソンはその問題を以下のような技術で解決している、と説明するのです。
水を最後の1滴まで除菌する機能
ダイソンのハイジェニックミストは、従来の加湿器とは異なり、紫外線を照射することで加湿器内の水を除菌し、清潔になった水をミストとして噴霧することで部屋を加湿するわけです。基本的な方式としてはもっとも高効率で静音設計が可能な超音波式を採用しています。
題して「ウルトラバイオレットクレンズテクノロジー」だそうです。すごいね、このネーミング。使用開始前にタンクに水を入れてスイッチを入れると、加湿前に約3分間、タンク内の水を動かして紫外線を照射し、除菌してから加湿を開始します。
このプロセスを経ることで、ユーザーは除菌する機能を強く認識できるわけですね。さらにこの紫外線除菌機能があることで、フィルターが不要な構造を作り上げています。さすがだね、ダイソン。
夏場はサーキュレータになる加湿器
地味にすごいというか、マーケティング戦略視点だと最大の提供価値になりうるのはこのポイントだと思いますね。このダイソンのハイジェニックミストは、加湿器としての提供価値だけではなく、夏場にはサーキュレータや扇風機としての価値を提供できるのです。
つまり加湿器として作られている冬場の3ヶ月程度しか機能しない競合に対して、2倍〜4倍の時間的価値を提供可能だと言うこと。この点で勝負ありだと思いますね。リモコンで加湿機能のオン/オフが切り替えられます。
この他、
- 音響工学に基づく静音設計
- 最大18時間連続稼働
- スリープタイマー付き
- 広範囲を加湿可能なAir Multiplyerテクノロジー
などで畳み掛けていますが、このプロダクトのすごさは上述の通り、従来の加湿器の課題である水の清潔さを解決している点にある、のです。
空気清浄機能を追加しようとすると、この上位機種がありますが、その場合にはどうしてもフィルターが追加されてしまいます。
と言うことで、衛生的に加湿を可能にする機能に特化して解決できる、このダイソンのハイジェニックミストはかなり良い買い物だったのではないかと思うのですよね。
加湿機能付きの空気清浄機はAmazonなどで2〜3万円程度で購入できます。また単なる気化式の加湿器は3000円程度でも購入可能。しかし、加湿と同時に細菌やバクテリア、ウィルスを部屋中に広める危険性もあることを、ユーザーは理解する必要があります。
ダイソンのハイジェニックミストを導入して、衛生的な加湿、を手に入れてみてはどうでしょうか。