今日は二松学舎大学文学部都市デザイン学科で授業をしてきました。「広告表現文化論」と「クリエイティブ概論」という2コマです。「広告表現文化論」は1960年代から2010年代後半の現在まで、広告表現の分析を通じて社会を洞察する、というもの。「広告」が一定の水準で社会を映すものであることはその通り。しかし改めて変遷を眺めてみると、マスメディアの影響力の低下とともに、広告の説明力も低下しているであろうことが推察されました。
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当初はここ50年あまりのCMの変遷を辿ろうかなと思ったのですが、CMはタレントや演出など変数も多く解釈が難しいことから、広告コピーのみを対象に社会との関係性を論じてみよう、というのがこの授業のコアコンセプトです。素材としては博報堂の「ことば社会年表」から広告コピーの変遷をお借りしました。たいへんな作業をしてくれている博報堂に感謝です。広告コピー(主にキャッチコピー)だけから社会を読み解くのは困難な気もしますが、結果的には非常にシンプルに考察できたように思います。
ことば社会年表
ドラマのセリフ・広告コピー・商品名・歌のタイトル・有名人の発言・人や集団の呼び方・社会現象を表すキーワード…等々。1960年から今日まで日本の社会で共有されてきた、さまざまな「ことば」3000語以上を集めて、年表にしました。
今日の聴講生の年齢は概ね20歳くらい。ぼくにはこどもがいませんが、学生さんたちに聞いてみると概ね両親はぼくと同じ世代のようです。つまりぼくは自分の子どもの世代に対して、ぼくが仕事を通じて知ったこと、考えたことを伝える役割を演じているわけです。大学を卒業して広告代理店に入社し約11年、マーケティングや広告の仕事をしてきました。そしてその仕事を突き詰めたいがゆえに広告代理店から独立し、いまに至るのがぼくの仕事の歴史です。ここまでは自分と家族と自分の会社、そしてクライアントと社会のことを考えながらひとつひとつの仕事に取り組んできました。でも50代を迎えてそこにもうひとつ「次の世代のために」仕事をしなくちゃね、という問題意識が加わってきたのです。
ぼくが培ってきたセンスや知識、あるいはスキルやマインドをどんなことばや態度で伝えたら、次の世代の糧になるのだろう。そんなことを考えながら講義をしています。ぼくは「言うことや書くことが抽象的で難解だ」と言われることも多く、カンタンに説明できないということは自分はまだまだだな、と思ったりしているわけですが、20歳の学生を前にして難解なことを話したらすぐ寝られてしまいます。彼らを前にしたときには、クライアントと対峙するときとは全く別の緊張を強いられるわけです。でもそれはぼくにとって大事な「未来を育てる」という大仕事です。大仕事は難しくて当然!そう思いながら頑張っているぼくなのです。将来は京都と沖縄で教えるんだ。
追伸:キャンパスは秋葉原にあったので、2コマこなした後は御徒町の「青葉」に滑り込んで「特製中華そば」を頂いてきました。ここ、好きなんですよね。港区にはないみたいなので秋葉原に行くときはちょっと楽しみにしてるわけだったりします。
青葉 御徒町店 (御徒町/ラーメン)
★★★☆☆3.52 ■名店 青葉が繰り出すスープは、「今までにない味」!! ■予算(夜): ~¥999