突然ジェットスキーと出会った
ロードバイクやモーターバイクを愛するぼく。でももう一つ、大好きで大好きでたまらない乗物があります。それがジェットスキーです。
初めてジェットスキーの免許を獲ったのはもう6年以上前。それ以来、ぼくはいつでもこの乗り物に乗りたいと思い続けています。毎夏、海でジェットスキーに乗りたい。その爽快さは筆舌に尽くしがたいものがあります。
ジェットスキーという呼称は実は製品名です。バイクでも有名なKAWASAKIが製造する水上バイクの製品名が「ジェットスキー」なんです。製品名なので他社は別名称。ちなみにYAMAHAは「マリンジェット」と呼びます。じゃあ一般名称はなんていうのか。
水上バイク(水上オートバイ)
まあ、日本ではこれでしょうね。英語圏では、
Personal Water Craft
と呼ぶそうです。個人的には「ジェットスキー」が一番この乗り物に合った語感のように思いますので、ここから先は一般名称としても「ジェットスキー」と書いていこうと思います。
ジェットスキーとの出会いは突然でした。ある日、ぼくのオフィスに訪れた博報堂時代の先輩がジェットスキーの話をしたのです。
先輩:夏はジェットだよねー。
ぼく:ジェットって水上バイクですか?
先輩:そう。最高だよ。
ぼく:乗ってみたいなー。
先輩:免許取んなよ。バイク売ってやるから。
ぼく:マジですか?取ります!
こんな会話です。約1分。それまでぼくの世界にはジェットスキーはなかったんですよ。それがたった1分で「絶対乗ってみたい」と思い、すぐにライセンスの取り方を調べて、YAMAHAの講習で取得しました。講習費用は2日で6万円くらい、講習場所は霞ケ浦でした。
船舶に関する法律やロープワークなど新鮮で面白かったですね。
特殊小型船舶免許を取得する
特殊小型船舶操縦士免許(水上バイク免許・ジェット免許)は水上オートバイ(水上バイク)ライディングやウェイクボードを楽しみたい方におすすめの免許です。ヤマハボート免許教室では特殊小型船舶免許の取得が行えます。お申込みはネットでOK、特殊小型船舶免許を取るならヤマハボート免許教室へ! 特殊小型船舶操縦士免許(水上バイク免許・ジェット免許)とは …
バイクとの再会も突然でしたが、ジェットスキーとの出会いも突然でした。いろいろな乗物と突然出会う人生なのかも。
それまでの人生と無関係に突然の縁が生まれる。面白いなと思います。それが世にいうセレンディピティという奴かな。
ライセンスを取ったぼくは先の先輩、そしてその仲間たちと一緒に海で遊ぶことを覚えました。海の楽しさと怖さなどをしっかりと教えてもらいました。大人に相応しい遊び方も。
ジェットスキーはやんちゃというかアタマの悪い輩の遊びと白眼視されている側面もありますからね。分別ある大人はそんな連中と一緒にされて、この最高に楽しい遊びを失いたくないわけです。
ジェットスキー、この最高な乗物について
ジェットスキーは控えめに言って最高です。こればかりは体験してもらうしかない。本当に最高、爽快なのです。ぼくはこれ以上爽快な乗物を知りません。モーターバイクはそれに近いものを期待しています。しかし、モーターバイクですらここまで爽快かどうか、まだわからない。
つまりそれくらい異次元に最高なんです。
ぼくは言葉にこだわりがあります。だから、ジェットスキーの魅力の本質を言葉で伝えたい。そう考えるとこの言葉に収斂していく気がします。
自由と加速
この2つです。
自由(Freedom)
ぼくが知り得る範囲で、ジェットスキーは最高に「自由」です。海にはルールはありますが、道がありません。ルールに則っていさえすればどこをどう走っても構わないのです。
そんな乗物ありますか?
飛行機やヘリならそれ以上に自由なのかも知れませんが、ぼくには知る由もありません。
ロードで最高に自由な乗物はモーターサイクルだと思いますが、それでもほとんどの場合「道」に縛られている。でもジェットスキーはそこからも自由です。(そう考えるとオフロードバイクの自由さも相当なものだろうな、などと思ったりします)
すぐ横をカモメが並行して飛んでいます。手を伸ばせば届きそうなくらいの距離に海鳥が飛んでいる。波しぶきを浴びながら海面を疾走するとき、風、波、光、それらすべてがキラキラと輝きながら強い刺激を身体と心に与えてくれます。
そのときものすごい解放感が訪れるのです。それがぼくが言う自由です。
加速(Acceleration)
加速の魅力について多くの人はあまり知らないのではないかと思います。加速は速度とは違います。加速は時間の感覚です。ここでは多くは語りませんが、アインシュタインの相対性理論はその点に触れています。
加速していけば時間の流れが変わるのです。
加速感はある程度の閾値を超えると一気に体感できます。それは一定の恐怖を伴います。普通の乗物は恐怖を感じるほどの加速はしませんし、それができる性能があっても人間がそういう操作はしないものです。
ぼくが初めて「加速の世界」の魅力を知ったのはポルシェ911カレラ(タイプ997)に乗った時です。それまで乗っていたBMW 330Ciはこの「加速の世界」にぼくを連れて行くことはなかったのですが、ポルシェ911カレラは違いました。
0~100㎞/hのタイムが5.0秒というのがタイプ997のポルシェ911カレラの加速です。ぼくはこれを体験して、加速の魅力に憑りつかれました。絶対速度は要らないんです。スピード違反なんか愚かしい。ただ加速感が欲しい。
ジェットスキーに乗り始めた頃、ちょうどポルシェ911カレラを売りました。クルマはもっと便利な方向でいいや、と思ったからです。その寂しさを埋めてくれたのはジェットスキーでした。
ジェットスキーの加速感はスーパーカー並みかそれ以上です。KAWASAKIのフラッグシップモデルなんか、300馬力もあります。それで装備重量は500㎏。パワーウェイトレシオは0.6㎏/hpですよ。
フェラーリやランボルギーニの最高出力版でも2.0㎏/hpくらいです。これらのスーパーカーの0~100㎞/hのタイムは3.0秒弱レベル。
ジェットスキーの加速感がどれほどのものか、想像していただきたいと思います。
ジェットスキーにはどこで乗る?
そんな素晴らしいジェットスキーですが、そうそう簡単に乗れないのが難しいところです。以前は横須賀のとある浜に知人の施設があり、そこからジェットスキーを下ろしていたのですが、故あってその浜が使えなくなってしまいました。
ジェットスキーは下すまでの準備も乗ったあとの整備も必要です。知り合いの施設があるというのは本当にラッキーだったんですよね。どこかに艇庫を借りるとなるとそれ相応の出費となりますし、年間数週間が遊べるピークだとすると経済的にもムダが多いわけです。
ところが。
ぼくには宮古島に友人がいるんです。もともとはビジネスで知り合った方なのですが、SNSを見ていたら何とジェットスキーに乗っているじゃないですか!大喜びで連絡をして、早速宮古島でジェットに乗ってみました。
世界最高のジェットスキーの楽園「宮古島」
最高の中の最高。
もう世界中でこれ以上の場所はないのではないか、と思います。
世界最高に綺麗な海。
誰もいない。
誰に迷惑をかけることもない。
艇も新しいものを貸してもらえます。しかも保険、ガソリンなど込々でもとってもリーズナブル。
東京から三浦半島までクルマで行って、乗って帰る。しかも年間で艇庫を契約して、……などと考えると夢のように手軽です。羽田から直行便も出ているし、エアラインのマイルは山ほど溜まっているので、いつでも行けます。
しかも友人に宮古島のいろいろなところに連れて行ってもらえる。
宮古島でジェットスキー。本当に最高。
毎年行きたいと思いつつ、実はそんなに行けてない。
今年のシーズンもあと数か月。何とか行きたいなと思っているぼくなのです。