
バイクにiPhoneは推奨されていない
スマートフォンは現代生活になくてはならないアイテムです。それがいいかどうかは別にして、ないと困る人が多いという意味でこのテーゼは正しいはず。でもこれをバイクに装着する、とした場合、どうやら推奨されないようです。
その理由は、
バイクの振動で手ブレ防止ユニットが壊れるから
です。
これは昨年9月にアップルコンピュータが正式に発表しています。
Exposure to vibrations, like those generated by high-powered motorcycle engines, might impact iPhone cameras
The iPhone camera helps you take great photos in any situation-from everyday moments to studio-quality portraits. The advanced camera systems in some iPhone models include technology like optical image stabilization and closed-loop autofocus to help you capture great photos even in difficult conditions.
英語が苦手な人はGoogle翻訳にどうぞ。
キモの部分はこんな感じでしょうか。
高出力または大容量のモーターサイクルエンジンは、シャーシとハンドルバーを介して伝達される強力な高振幅の振動を生成します。発生する特定の周波数範囲での振動の振幅のため、iPhoneを高出力または大容量のエンジンを搭載したモーターサイクルに取り付けることはお勧めしません。モペットやスクーターなどの小容量または電気エンジンを搭載した車両にiPhoneを取り付けると、比較的低振幅の振動が発生する可能性がありますが、そうする場合は、iPhoneとその損傷のリスクを軽減するために、振動減衰マウントをお勧めします。 OISおよびAFシステム。また、損傷のリスクをさらに減らすために、長期間の定期的な使用を避けることをお勧めします。
簡単にサマると、
- 大排気量のバイクだとiPhoneのカメラ(手ブレ防止システムやAFシステム)が壊れるので使わないでくれ
- 使うなら振動減衰マウント(クアッドロックなど)を使ってくれ
- できれば常用しないでくれ
というのが、アップルからのメッセージということになりそうです。
実際、iPhone12miniが壊れた
かくいう私、実は昨年5月にiPhoneのOISがぶち壊れるのをリアルに体験しています。納車から半年くらい。それまで普通に使えていたのに急に壊れました。その様子はこのYou Tube動画に登場します。
横浜までツーリングした後、突然、カメラが画面がゆらゆらに。さらにバチバチ、ってな具合で異音も発生。
かなりやばい状況がお分かりいただけるかと思います。(動画の2:56あたり)
幸い私の場合にはアップルケアで無償修理してもらいました。代替機を貸してもらい、半日くらいで元々のiPhoneが手元に戻りました。しかし、アップルストアを予約するなど、それなりに面倒ですよね。できればバイクの振動でiPhoneが壊れるという事態は避けたいところです。
と言いつつ、その後もRAMマウントでiPhoneを使っています。あれ以来、カメラが壊れる事態にはなっていませんが、壊れる可能性はあるわけで気をつける必要はありますね。
アップルがメッセージしている通り、大排気量車の方がリスクが高いのは間違いないようです。BMW G310Rは中排気量車であり、それがその後トラブルを回避できている要因かも知れません。わかりませんが。
今後、大型自動二輪に乗るとしたらiPhoneが壊れるリスクは高まりそうですね。そうした場合、どのように対処するのがいいのでしょうか。
さて今後どうするか?
昨年12月に大型自動二輪免許を取得した私。近々、大型二輪に乗ることは確実です。その際、現在のRAMマウントのままだとiPhoneが壊れるリスクは高まりそう。無償で済んだとはいえ、スマホのない生活を何時間か何日か送ることになるかも知れませんし、何しろアップルストアを予約して行かなくちゃいけないのも面倒です。
これらのリスクを回避する方針には何があるだろうか。改めて考えてみました。
クアッドロックを導入する
まず考えられるのは現在使っているマウント「RAMマウント」から、耐震ダンパー機能を備えたマウント「クアッドロック」に切り替えることですね。
☞RAMマウントはこちら。
☞クアッドロックはこちら。RAMマウントのシステムを活かして装着できます。3390円。
☞肝心のダンパーはこちら。3080円。
☞クアッドロックの場合、専用のスマホケースを装着する必要があります。iPhone12miniの場合、3400円。
〆て、約10,000円。システム費用としてはこんなもんかなと思います。
でも個人的にこの選択肢はないかな。なぜならスマホにややゴツいケースをつけるのが嫌だから。
SIMフリーのiPhoneを契約してナビ専用にする
この選択肢はアリといえばアリ。中古のiPhone8辺りを探せば、2万円くらいで手に入ると思われます。この世代なら機械式手ぶれ補正機能は付いていないのでRAMマウントでも大丈夫なはず。
でも、バイク用のiPhoneと2台持ちしてそれぞれバッテリーを充電する、というのがちょっと面倒な気がするなぁ。それにスマホ2台も要らんかな。(笑)
さて、どうしよう。
当面、バイクにスマホを装着しないことにする
色々考えてきて、当方が出した結論はこちら。
バイクにスマホをつけない
です。
スマホは確かに便利。そしてナビゲーションも知らない場所に行くには実に便利です。でもね、そんな私たちでも大学生の頃は地図を見ながらどこかに行っていたのです。
スマホの機能は便利ですが、それは私たちから何らかの能力を奪っているのではないか、ということもできるのかなと思うのです。
例えば、地図を見る力だったり、知らない街で方角を感じる力だったり。
この辺りは社会学者の宮台真司も言及していて、過去に関連するポストもしてみました。
ただ、その際に注意すべきことは、システムが豊かになると、心身の能力がどんどん奪われること。Googleマップの例で話しましたが、テックがいろんな負担を免除してくれるのは良いけど、そこに疑問を持たないのはまずい。例えば、仮想現実や拡張現実のテックを介した豊かな体験があるのは否定しないけど、そのせいで自分たちの身体性や人間同士の絆が奪われるのはまずい。そこで僕は、人間を劣化させる〝悪いテック〟と、人間の心身を豊かにする〝良いテック〟を区別するように提案してきました
宮台真司
わざわざ(不便を承知で)バイクに乗るのだから、そこはその線で行き切ろうよ、とも思うわけです。
それに実はこれも実体験なのですが、
スマホを見ていると危険
だと思うのです。
先日、秩父に蕎麦を食べに行くツーリングをしました。帰ってきて仕事の打ち合わせがあったので、やや急いで戻ってきたわけです。関越自動車道は問題なく、その後首都高に入って少し混み出しました。もうナビは要らないかな、と思いつつ、低速で走りながらナビを解除しようとしたのですが、ボタンを2度ほど押しているうちに前の車にかなり接近して焦りました。
こういうことがヤバイと思ったのです。
バイクは死に近い乗り物。だからそこに日常が入り込みすぎると危険な気がするのです。
ということでこの問題、個人的には決着といたします。知らない街に行くときはどうするのよ、というツッコミは承知しておりますが、
うるせー、予習するから大丈夫だ
と回答しておくことにいたします。