左手首の骨折・手術から2ヶ月過ぎ、ぱっと見だともう怪我人には見えないぼく。でも左手の握力はまだ戻らず大好きなBMW RnineT「碧」のクラッチが握れません。だからこれから迎える最高のバイクシーズン、指を咥えて見ていなくちゃいけないのか。いえいえ、クラッチのないバイクがあるじゃないか。ということで探し始めたら、どうやらHONDA DAX125がいいなと思っちゃったわけです。
クラッチが握れなくても
2023年1月11日に左手首骨折。1月24日に尺骨の手術を終えてから2ヶ月が経ち、ただいま絶賛リハビリ中のぼく。回復しつつあるのは実感できるのですが、先日測った左手の握力は11キロ。トホホ、というレベルです。骨折の顛末はこちらからどうぞ。全四部作です。
愛車のRnineT Pure「碧」はバッテリーを上げないように時々エンジンに火を入れています。その度にクラッチを握ってみるのですが、うーん、まだ当分無理そう。
そうこうしているうちに桜の季節も終わり、これから夏までがオートバイに最高のシーズン。でもぼくはこうして乗れずにいる。左手の握力以外は特段問題ないのに。
とその時、ふと思ったのです。
クラッチのないバイクもあるじゃん。
そうクラッチのないバイクなら回復途上のぼくでも乗れるはず。そう思って検索し始めたら結構面白いバイクが目に入り出しました。
まずはスクーターに目をやると
クラッチのないバイクで真っ先に思い出すのはスクーターです。思えばぼくも最初に乗ったオートバイはYAMAHAのジョグという50ccの原付スクーターでした。このジョグというバイクはショートホイールベースにピックアップの良い2ストロークのエンジンでかなり危険な乗り物でしたね。スロットルを開けすぎるとすぐウィリーしちゃうような。
流石に現代のスクーターはそこまで危険なのはないでしょうね。それにしても少し調べ始めて思うのは、確かに性能は向上しているのでしょうが、なんとも心がワクワクしない乗り物だなぁということ。
ギア付きのオートバイと比較すると
決定的に浪漫がない
それがスクーターという乗り物なんですね。
HONDA PCX160
言わずと知れたベストセラー、PCX160。125ccを超えているので高速道路も乗れちゃう。おそらくめちゃ快適で便利すぎるバイクのはず。ぼくはRnineTを所有しているのだからクラッチレスのバイクは快適で便利で何にも問題ないはず。でもね、なんだかこのバイクに乗っている自分が想像できない。というか、このバイクには乗ってはいけない気がするんですよね、意味不明だけど。
HONDA ADV160
このADV160はあまり詳しくないのですが、なんとなくPCXを避けるとしたらこれかなぁ、くらいの熱量でピックアップしたバイク。おそらくPCXの味付けを変えたバージョンなのだと推察します。スクーターにおけるアドベンチャーみたいな感じかな?PCXよりいいかな、と思うけどどうにも食指が動きません。
Vespa SPRINT S 150
そうだ、Vespaを忘れてたぞ。ぼくらのようなオヤジ世代にとって、Vespaといえば「探偵物語」で松田優作が乗っていた、ボロくてかっこいいスクーターです。「刑事コロンボ」のプジョーと近い感覚。あんなボロくてかっこいいVespaに乗れたらいいかも、と思って調べてみると、現代のVespaは日本のスクーターと大きく違わない感じ。しかも¥566,500って高いわ!カラーリングなどはさすがと思える部分もあるけれど、あの松田優作が乗っていた印象とは全く別物の単なるオシャレスクーターにしか見えませんでした。残念。
↑「探偵物語」で松田優作が乗ってたVespaを知りたい方はこちらをどうぞ。
総じて、スクーターに乗るにはぼくはもう大人になりすぎた、ということなのかなと。
そうだ、カブがあるじゃないか
クラッチレスといえば、もう一つ大きな選択肢があるじゃないか。なぜこれに気が付かなかったかな。かつてその魅力に少しクラクラしたじゃないか。
この時、ぼくが惹かれたのはこいつ。スーパーカブ110のイエローです。このイエローが最高だなと思ったんだよな。
カブはいいよなー。
なぜか、
スクーターにはない浪漫がある
それがカブの魅力なんです。
その浪漫はどこから来るか考えてみると、弱くて小さな存在がカブというこれまた小さな原動機(エンジン)を得て、どこかに羽ばたいていくストーリー。戦後の荒廃から立ち上がっていく日本の「働く人たち」の夢と希望を背負って走った、という歴史。そんな感じかなと思います。あるいは初めて免許をとった高校生がこのカブと共に成長していくストーリーもいいですよね。はい、そうです。これです。
スーパーカブ、気になる。でもこれまた根拠は希薄なんですが、真面目に考えるとカブはぼくには似合わない気がするわけです。やっぱりカブ、特にイエローのカブは可愛い女の子に乗ってもらいたい。もうすぐ還暦を迎えようとするぼくには別の選択肢の方が望ましいのではないか、そんなふうに考えたわけです。カブだけどカブじゃない、そう言えば最近そんなの出なかったっけ?
そうだ、DAX125があるじゃないか
人後に落ちない猫派を自認するぼく。野良猫教授。だからという訳ではないですが、犬をモチーフにしたバイクはちょっと視野に入っていませんでした。そう、HONDA DAX125です。
このDAX125は確か2022年3月発売。かなりの人気を博しているモデル。そしてDAX125は、スーパーカブC125のエンジンとトランスミッションをベースにしていたはず。カブと同じ「遠心クラッチ」機構を持つのでクラッチレスな訳です。動画を見たり、メーカーサイトを見たりしているといくつかぼくの心の琴線に触れるポイントがありました。それを列記してみますね。
- クラッチレス
- 1969年デビューの旧DAXの現代版
- 丸目のネイキッドスタイル
- タンデムバー付き
- シート形状がタンデム向き
- クロームパーツで高級感あり
- 可愛いデザイン
- でもバイクらしいデザイン
- でもオヤジが乗っても嫌味がなさそう
- 超燃費がいい
- ちょっとマットなブルーカラーがある
いい点がたくさんある。これはかなり惹かれてるな。(笑)
でもね、一番重要なことは
浪漫がある
ということです。
浪漫がある、というのはより具体的にいうと
当て所ない旅に出たくなる
ということです。
言語化してみて初めてわかる。つまり、スクーターは行き先を必要とするのです。それが窮屈なのです。どこにいきたいでもない。でもこのバイクとどこかに行きたい。
浪漫のあるバイクとはそういうものです。
もしくはオーナーとバイクとの間にそうした浪漫が生まれるバイクが、ぼくが欲しいバイクです。
DAX125は車体価格40万円(税抜)だから比較的買いやすい。でもどうやらプレミアがついている模様、つまり新車待ちの行列ができているということです。
いいや、とりあえずHONDAのお店に行ってみよう。待ってるうちに左手も良くなって、BMW RnineT Pure「碧」との生活が戻ってくるかもしれない。縁あればDAXとも友達になれるかもしれない。
ぼくが選ぶのはこちらのカラーで決まり。
さて、DAX125、ご縁があるかな?